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群山での結婚式 [ソウルでのこと]

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韓国で何回か結婚式に出ている。部署のNさんが招待状をくれた(韓国では招待状は参加不参加に限らず、たくさん出す)。場所は彼の出身地、群山だという。もちろん、群山と言われてもどこなのかわからない。説明によれば、ソウルから約220kmほど南西に行った、黄海に面した町らしい。当日、会社の前からバスを出してくれるということだったが、自由行動をしたかったので、車で行くことにした。部署のJさんに無理を言って彼のナビを貸してもらった。私の車にもナビがあるが、英語バ-ジョンであまり需要が無く、ほとんど更新されていない。前も、高速を走っていると、ナビでは山の中の何もない所を走っていると表示され、道に迷った経験がある。ナビを使う方が道に迷いやすいという大変ありがたいナビなのである。もちろん、Jさんのは韓国語表示だが、ナビの言うことなんて大体きまっている。もうすぐ高速から出ろとか、あと300mしたら左へ曲がれとか、レ-ダ-に気をつけろとか、うどん屋に立ち寄れとか...だいたい、スクリ-ンに絵が出るのだから、普通の想像力を持っていれば十分使える。問題は行き先の入力なので、それはJさんにあらかじめ設定してもらった。

ソウルから出て行くあたりで渋滞にあったため、3時間半ほどかかった。紫色の結婚式場が見えてきたので、ナビを終了し、地下駐車場へ車を入れる。駐車場と言うよりガラクタ置き場のような所だった。建物の紫の色は、いくら韓国人が好きと言っても、ちょっと奇抜である。まあ、地方都市にはこのような結婚式場しかないのかなと思って、中に入る。あまり賑っていないようだ。早くつきすぎたのか。レセプションがあって、本日の式の予定表があった、一組だけである。おお、貸切状態かと、念のため、新郎新婦の名前を確認した。ん?Nさんの名前が無い。おかしいな。厄介な事情で、土壇場に新郎が替わったんだろうか?それともNさんが本日から名前を替えたのだろうか??? そして私は重大なことを思い出した。先ほど、ナビを切るとき、あと200mで目的地に到着と表示があったのだ。それくらいの誤差はあるのかな? でも、実際式場に着いたから合っているだろうと、一抹の不安を覚えながら、ナビを切ったのだ。まさか??? 正面玄関から出て道の先を見るとお城のようなビルが見えた。疑惑は確信へと替わる。200m先に別の結婚式場がある...

もう一つの結婚式場は大変繁盛していた。駐車場はいっぱいで、レセプションは年始めのバ-ゲン会場のようである。ホールも3つあった。ようやくその1つに、新郎Nさんの名前を見つけた。記帳も何も無く、ただお祝の入った封筒を受付に出す。「何人ですか」と聞かれ、それが食事の人数だということがわかっていたので、食券?を2枚もらう。会社の人の顔もちらほら見える。受付の前で封筒にお金を入れている人も多い。用意してこないのだろうか?さらに観察すると、なんと、「祝結婚」と印刷された封筒(空)が受付の机に置いてあるのだ。その封筒を使ってお祝を渡している。お祝というより、集金袋のような感じだ。私の出した封筒の裏の名前を見て、「変なやつが来たな、一応知らせておくか」と言うように感じで新郎を呼んでくれた。Nさんに韓国語でお祝を言う。それにしても、この日のこの式場はやたら混んでいた。Nさんが式を挙げるホ-ルはまだ前の団体?が使っていた(もう10分前なのに)。前の団体が出て行って、さっと掃除ができたのは、開式の3分前だった。このあたりは大変大らか?である。

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式が始まる。新郎新婦の母親が2人並んで入場し、前の式台のろうそくに火を点ける、新郎がひとり入場。新婦が父親と手を組んで入場。式台の前に新郎新婦がそろうと牧師さんの説教?が始まる。何を言っているかはまったくわからない。そして、驚いたことに牧師さんは一人であの第九「喜びの歌」を独唱し始めた。え、賛美歌隊とかいないの? 独唱? 何? と思っているうちに歌は終わる。新郎新婦は誓いの言葉をそれぞれが読み上げる。友人であろうか、一組のカップルが賛美歌を歌う。牧師さんよりうまい。そのあと、新郎新婦はそれぞれの両親の前で深々とお辞儀をして退場...その間約20分。牧師さんの話が長めだったので普通より長い式だった。

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後ろを振り向くと、参列していたはずの会社の人たちの姿が見えない。ごはんを食べに行ったのだ。韓国では、式場にブッフェがあり、式の前か後に、参列者はそれぞれ勝手にご飯をたべるというシステムである。いわゆる披露宴は無い。親族の写真を撮り出したので私たちもブッフェ会場に向かう。会社の人たちがいて、「すみません、先に来ちゃって。あと10分で帰りのバスが出るんです」。これまでの経験から、結婚式のブッフェは似たり寄ったりで、特別なものは出ない。でも妻は何故か、「今までで、ここのが一番おいしい」と満足げである。外は寒いし、地球の歩き方で見ても、何も見るものはなさそうだったので、ゆっくりご飯を食べ、帰路に着いた。帰りも約4時間かかった。

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